Fedがレポ市場への資金供給拡充、ドル安は起きるか

先週12日、Fed(連邦準備制度)は年末の資金需要逼迫を懸念して、レポ市場への資金供給量を2倍にする案を発表した。

Fed plans to double repo market intervention to avoid cash crunch

レポ市場とは金融機関などが主に米国債等を担保にして、短期資金を借りるための市場である。今年9月にレポ市場の金利が急騰したことが話題となった。金利が急騰したということは、資金需要に比べてレポ市場に供給される資金が足りていないのである。これを受けてFRBは10月以降、月額600億ドルの財務省短期証券の買い入れを行なってきた。FRBのバランスシート規模は量的緩和中の時期と同じくらいのペースで再拡大している。

レポ市場の金利急騰問題の原因については様々な指摘がされている。国際決済銀行(BIS)はレポ市場には構造的な問題があるとして、4大銀行(JPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ、シティグループ、ウェルズ・ファーゴ)の準備預金保有が米銀行システム全体で占める割合が25%程度なのに対し、米国債保有は50%を占める点などをあげている。これらの主要銀行が資金の運用手段として準備預金よりも米国債を選好しており、レポ市場への資金供給機能を果たしていないということである。

米レポ市場の混乱、4大銀への過剰依存などが要因-BISが分析

4大銀行の一つであるJPモルガンのジェイミー・ダイモンCEOは、9月の金利急騰時に同行が流動性規制のために資金を供給できなかったと説明した。これは資金を供給することと引き換えに銀行に対する規制を緩和することを要求したとも受け取れる。JPモルガンはFRBの口座に置く超過準備を今年6月までの1年間で57%削減したことが報じられていた。これは全銀行の削減額の約1/3である。

JPモルガン、流動性規制がレポ市場への資金移動を阻止と指摘

筆者としては、これらに加えて中国を中心とした外国の米国債保有額が減少していることも一因であると考えている。米財務省の国際資本収支統計によれば、中国の米国債保有額は減少傾向にあり、今年6月末時点で保有額トップは日本に変わっている。米国の財政赤字が膨らむ中で、この穴埋めをしているのが米国内の金融機関であるとすれば、銀行が資金を供給できなくなっていてもおかしくはない。

その場合に何が起きるかといえば、銀行に代わってFRBが資金を供給し続けるか、または銀行の資産を買い取って資金を供給してもらうかということになるのではないか。後者の場合はつまり量的緩和の再開である。いずれにしても、米ドルのマネタリーベースは拡大する方向にあり、ドル安がこれからの市場のテーマになると睨んでいる。以前から述べている通り、現在はドルに対して円を買っているが叙々に金へ移行したいと思っている。