パウエル議長の引き締め姿勢軟化で再度の空売り機会

2018年末の株式市場の急落を受けてか、FRBのパウエル議長が金融政策の引き締めを強行する態度を緩めた。この発言が株式を空売りする機会を作ってくれるかもしれない。

FRBは柔軟に対応、下振れリスクに敏感 パウエル氏「議長辞めない」

12月のFOMC後の記者会見では、金融市場のクラッシュについて一時的なものであるという考えを述べ、実体経済の力強さを理由に利上げとバランスシート縮小を継続する姿勢を示していた。この発言を受けて、米国株式市場は続落していた。

今月4日の発言では、金融市場が示す下振れリスクにも注意を払い、より柔軟に対応するよう態度を改めた。利上げやバランスシート縮小についても、方針変更がありうるとした。12月FOMCからわずか数週間でのこの姿勢転換は、急激な引き締めを嫌気した市場からのメッセージに耳を傾けた形だ。

金融市場はこの発言を歓迎し、4日のS&Pは3%を超える上昇となった。

その前の1月2日にAppleの業績予想下方修正があり、これまでの相場を牽引してきた象徴的な銘柄の株価下落だけに市場のセンチメントは悪化するかに思われた。主要株価指数が安値を更新する展開となっていただろう。このタイミングでの議長発言で、俄に株式市場が短期的にではあれ反発する可能性が出てきた。だから株を空売りするチャンスなのである。

株価がどこまで持ち直すかのヒントの一つは原油価格である。下落を続ける原油価格を下支えするため、サウジアラビアを中心としたOPEC加盟国が産油量を再び縮小している。これまでは産油国の減産姿勢を受けて価格が吊り上げられる場面もあったが、昨年10月、株式市場の下落と時を同じくして原油価格は下落トレンドに入っている。

サウジアラビアが産油量を減らしたぐらいでは、需給面で原油価格を大きく上昇させるインパクトはなく、原油価格の大幅上昇には投機的な資金の後押しが必要である。今度のOPEC減産でも投機的な資金はついてくるだろうか。投資家のリスク選好度のバロメータになるだろう。

パウエル議長が金融引締めの停止に言及した以上、ここから先の株式の空売りには注意が必要になる。しかし、現時点での個人的な本命シナリオはあくまで悲観的なものであり、今回の発言は株式の空売りを追加するチャンスになると思っている。中途半端に市場をサポートすれば、より緩やかな下落傾向がより長く続くことになり、最終的な下落幅は大きくなる。利上げが停止され、その裏でバランスシートの縮小のみが継続される展開が、空売り筋にとっては最も理想的なのだが。