局地的なバブル崩壊の中、米国株式市場は急落を乗り越えるのか

今週も米国株式市場の下落が続いた。

10月の急落後の安値付近まで値を下げている。2月の急落時は同じような展開から上昇トレンドに復帰していったが、今回はどうなるだろうか。ボラティリティは拡大したままだが、まだパニック売りという状況にはなっていない。

そして長期金利が下がってきている。リスク資産から流出した資金が米国債市場に流れているということであり、投資家のリスク回避の結果として現れている。金利先物市場に織り込まれてる来年の利上げ予想回数は減少傾向にあり、FRBの利上げ停止の可能性が現実的なものになってきていることも、長期金利の上昇を抑えているかもしれない。

その他の市場に目を向けると、株式以外の資産クラスからの資金流出が目立っている。

原油バブルは崩壊したようで、下落のスピードが緩んでいない。供給過剰の受給見通しなど、ファンダメンタルズ要因もあるのだろうが、このような急激な値動きの説明にはならない。流出しているのは投機資金であり、それらは長らく続いた量的緩和政策がもたらしたものである。

他にはBitcoinも長らく守ってきた安値を割って下落している。仮想通貨の価格には目安となる理論値のようなものがないため、伝統的な金融資産に比べてパニックが起こりやすそうに思える。さらに仮想通貨市場に流入した資金のうち、そのほとんどが短期志向の投機資金なのではないか。

以上のように金融市場を概観すると、量的引き締めによる金融市場全体の規模縮小は着々と進展しているように見える。一方で、米国株式市場の本格的なクラッシュは延期されているのではないか。

長期金利の下落や、利上げペースの減速を見込む主張が見受けられ、10月の急落がすでに過ぎたイベントとして扱われているように感じる。原油安は実際にインフレ懸念を後退させ、利上げペースを抑えることにつながるだろう。なんとなくだが、市場の雰囲気からして、「株式市場はまたも急落を乗り越えた」という方向にバイアスがかかっている気がしてならない。そしてそれは正しい認識ではないだろう。