株価下落も下がらない長期金利、資産バブル崩壊の予兆強まる

今週の株式市場は、急落後の安値からやや反発した。このまま上昇基調に戻っていくのだろうか、それとも下落は止まらないのだろうか。

現在の市場は非常にボラティリティが大きいため、この程度の戻りは反発というよりも、激しい乱高下の一部でしかない。今後の流れを占う上で重要なのは、急落を受けてもなお、市場に楽観が残っているかどうかである。

長期金利の動向を見てみると、米国の長期金利は早くも株価急落前の水準である3.2%台まで上昇している。

株式が10%も安くなったのにもかかわらず、米国債は急落の前と今とでほとんど同じ金利(価格)水準である。株式市場から流出した資金は米国債市場に移ったわけではない。この点において、市場にはまだいくらかの楽観的な考えが残っていると考えられる。

今や(名目ではあるが)無リスクで3.0%以上の金利が得られるのに、投資家は満足していない。もしも投資家が株価の更なる下落を予想しているのなら、株を売って米国債を買わなければ辻褄が合わない。楽観的な見通しを捨てない投資家が残っている以上、株価の反発は続く可能性がある。これが現段階の短期的な見通しである。

しかし本質的には、現在の金融市場で起きていることは、単なる一時的なリスクオフではないように思う。世界の金融市場を見渡してみても、資金が集中して流入している市場はなかなか見当たらない。日米の株式市場の急落と時を同じくして、上昇基調を保っていた数少ない市場である原油市場からも資金流出が起こった。

要するに、金融市場の収縮が始まっているのではないか。FRBが市場から資金を引き上げているのに加え、投資家がレバレッジを引き下げ、ポジションを解消しているのではないか。その結果として、金融市場に存在する資金の総量が着実に減少しているようにしか思えない。もしそうだとすると、待っているのは実体経済も巻き込む自己強化的な信用収縮である。

資産バブルが崩壊するとき、今回のケースのように、まず先に資産価格が下落する。保有する資産価値の下落によって、企業や家計の借入可能額が減少し、利払い負担が増える。消費が縮小することで企業収益が減り、資産は切り売りされる。結果として資産価値がさらに下がる。

上記のようなサイクルがすでに始まっているとすれば、その影響が実体経済の減速という形で当局に認識され、金融引締め政策が停止されるまでの間に、手遅れとなってしまうだろう。自己強化的なサイクルは、一度回りだしたら止めることはできない。歴史上の金融危機はいつもそうやって起きてきたのであり、今回だけが異なる理由はない。