日経平均の上昇余地を見積もる

現在の市場では、金融引締めの影響でリスクの高い市場から順に資金流出が起きている。株式市場について言えば、まず新興国株が下落し、次に欧州株が下落した。日米の株式市場がいまだに高値圏にある中で、次に下落するのは日経平均だろうと考えているが、直近で日経平均株価は急騰している。

米国以外の株式市場が資金流出に見舞われ、今年前半の高値をピークに下落トレンド入りしていく中で、日経平均は1月の高値を更新したばかりである。日経平均の空売りを進めるにあたって、上昇がどの水準まで至るのか見積もっておきたい。もちろん、価格動向を詳細に言い当てることは不可能であり、あくまで大まかな目安である。

まず、日経平均が1月の高値を更新したのは円建てでの話である。国外の投資家にとって重要なのはドル建てでの評価額であり、日経平均をドル建てで見直してみるとやや印象が変わってくる。

ドル建て日経平均のチャートを用意できなかったので、代わりに日経平均(青)とドル円(赤)のチャートを確認する。日経平均の値をドル円レートで割ったものがドル建て日経平均の数値になる。

円建ての日経平均は1月の水準を明確に上回ってきたが、ドル円も同様に上昇傾向にあるため、実はドル建ての日経平均は円建てで見たときほど上昇していない。こちらのサイトを参考にすると、ドル建て日経平均の高値は1月末ごろの218ドルあたりのようだ。これに対して、ここ1ヶ月ほどのドル建て日経平均の高値はというと213ドル台であり、1月の水準を超えられていない。

そこで、「ドル建ての日経平均が1月のピークを超えられないまま下落トレンド入りする」という仮説を立て、その場合の円建ての日経平均の上限を見積もってみたい。考えなくてはならないのはドル円の水準である。現在のドル円レートは113円台後半だが、米国実質金利の上昇と、市場の短期的なリスク選好シナリオを考慮すると、まだいくらか上昇余地があるだろう。

仮にドル円が114 – 116円で推移して、ドル建ての日経平均が220ドルまで上昇するとすれば、そのときの円建ての日経平均は25,000 – 25,500円程度のレンジにあることになる。

何が言いたいかといえば、直近で急騰している印象の日経平均もドル建てで見れば未だ1月の高値を超えられておらず、他の市場に続いて下落トレンド入りしていく可能性がある。そして、日経平均の空売りを狙うのであれば、25,000 – 25,500円程度までの上昇に耐えられるようなポジションのとり方が一つの目安になりそうだ。