広がるリスクオフ相場、残るは米国株式市場のみか

米国の長期金利が一時、2ヶ月月半ぶりに3.0%を超えた。原因は5年債の発行額が予想を上回ったことや、日銀の政策変更の影響であると見られているが、本質的には米国の金融引締め政策の影響である。

長期金利は今年に入り上昇し、3.0%手前で高止まりしている。金融市場では、こうした長期金利の上昇がリスク資産からの資金流出を引き起こしてきたが、いよいよ残すは米国株式市場のみという状況になってきた。

初めに下落したのは新興国の株式市場だった。2月の世界同時株安以降、一貫して下落を続けており、米国の金融引締めを教科書通りに反映したリスクオフ相場となっている。株式市場だけでなく、新興国通貨も同様である。

続いて5月にコモディティ価格がピークを迎えている。コモディティ価格は世界経済の需要に加え、投資家の今後の世界経済に対する姿勢によって左右される。チャートから見るに、すでに景気後退の見込みが強まっていることがわかる。さらに、5月までの上昇には原油価格の高騰が大きく貢献しており、こうした人為的な影響を差し引けば、状況はより悪く見えてくる。

先進国の株式市場は2月の株安以降も健闘してきたが、日本株や欧州株は上値を追うことが難しくなってきているように見える。まだリスクオフ相場とはなっていないが、金融引締めが継続される以上は、リスクの度合いが高い順にいずれは資金流出の順番が回ってくることが避けられない。そろそろ危ないのかもしれない。


そして唯一、現在も上昇トレンドを保っているのが米国株である。株価は2月の高値にあと少しのところまで来ており、世界の株式市場の中で一人気を吐いている。裏を返せば、米国株が下落するときが世界の金融市場が一斉にクラッシュするときであり、頼みの綱の米国株式市場もいつまでもつかはわからない。下落する順番が最後であるというだけであり、米国株だけが特別なわけではない。

この米国株の独歩高をどう解釈するか。米国株式市場は金融引き締めを順調に乗り越えていっていると見るべきなのか。そうではなくて、世界の金融市場で着々と資金流出が進む中で、「買えるものがもはや米国株しか残っていない」という状況なのだとすれば、金融危機の再来まであと一歩というのも決して大袈裟ではないだろう。