米国金融引き締めで下落するドル円

米国の長期金利が上昇を再開したかに見える中、ドル円が下落したままになっていることが気になっている。米国の金利上昇(正確には日米の実質金利差拡大)はドル円の上昇要因のはずである。

そもそも、米国が金融引き締めを進めているわりには現在のドル円の水準が低すぎるように思える。そこで、ドル円の適正レートについて大まかに考えてみたい。

本来は日米の実質金利差も考慮すべきなのだが、ここでは日米のマネタリーベース比率を確認してみることにする。過去のマネタリーベース比率とドル円の関係は以下のようになっている。

日本の金融政策が未だ緩和的である中、米国では金融引き締めが進展しているため、日米のマネタリーベース比率は一貫して上昇している。ドル円の動きを見てみると、基本的にはこの流れに従っているものの、2015年後半から相関関係が崩れているように見える。マネタリーベース比率だけで考えるならば、現在のドル円は120円台後半あたりを推移していても不思議ではない。

ドル円の上昇の弱さの要因の一つとして、円を調達通貨としたキャリートレードの解消があるのではないかと考えている。金融市場ではリスク資産からの資金流出が続いており、その一部がドル円の売り圧力となっているのかもしれない。

金融危機後に米国が初めて利上げを実行したのが2015年12月である。それを合図にするようにして、ドル円が下落トレンド入りしたと見るならば、金融引き締めが進められているにも関わらず今後もドル円が下落していく可能性がある。