GDPに関する基礎知識

GDPとは、国内で一定期間内に生み出された商品やサービスの付加価値の合計である。GDPには「名目GDP」と価格変動を取り除いた「実質GDP」がある。ある国の経済成長率をいう場合、一般的には実質GDPの伸び率のことを指す。GDPは最も基本的な経済指標であり、経済をマクロ的に分析する上で欠かせない情報である。

GDPを支出面から見る場合、まず国内部門と海外部門に分けることができる。国内部門の支出はさらに、民間部門(家計と企業)と政府部門に分けることができる。民間部門と政府部門の支出はさらに、消費(現在のための支出)と投資(将来のリターンのための支出)に分けることができる。

簡単に言えば、GDPは家計、企業、政府という国内の3つの経済部門と、外国という経済部門の支出額の総額として捉えることができる。

GDP = 個人消費 + 投資 + 政府支出 + 純輸出

個人消費

個人消費とは個人(家計)が物やサービスの購入に充てた消費額のことである。先進国ではGDPの5割〜7割を占め、その割合が最も大きいことから、景気動向に大きな影響を与える。

個人消費には商品への支出とサービスへの支出があり、商品への支出は耐用年数の長い耐久財(自動車や家電など)と比較的短期間に消費される非耐久財(食品や飲料などの日用品)に区別される。

耐久財の中心は自動車であり、耐久財消費は自動車ローンの金利を通じて長期金利の影響を受けやすい。個人消費全体の動向は、賃金上昇率や失業率、貯蓄率などと関連が強い。

投資

民間部門の投資には主に、住宅投資、設備投資、在庫投資の3種類がある。個人が住宅を購入する場合、その金額は個人消費でなく住宅投資として計上される。企業部門においては、企業が工場などの設備や店舗などの建物に投じた設備投資と、在庫の増加分を指す在庫投資がある。

住宅投資は住宅ローンの金利を通じて長期金利の影響を受ける。設備投資もまた、借り入れを伴う投資の場合は長期金利の影響を受けやすい。

政府支出

政府支出には公共投資と政府消費がある。公共投資には、政府による道路やダムの建設費用、公団・公社による設備投資や住宅投資などが含まれる。政府消費には医療保険の政府負担分や公務員の人件費などが含まれる。政府支出の額は公共事業や国防費の規模によって決まるため、政治動向の影響が出やすい項目である。

純輸出

純輸出とは輸出額から輸入額を引いた金額のことである。輸出入の金額は為替レートに大きな影響を受ける。輸出は海外経済の需要の強さに依存する一方、財の輸入は企業の設備投資との関連が強く、サービスの輸入は個人消費との関連が強い。石油などのコモディティ価格の変動が輸出・輸入に影響することもある。