ユーロはドルよりマシなのか? 短期の投資戦略

前回の記事からの続きである。

景気回復期待と通貨からの逃避、現在の市場を読み解く二つの要因

現在の市場には通貨からの逃避という中長期のトレンドがベースとして存在し、そこに短期的には米国の景気回復期待が絡んできているというのが筆者の見解である。

ここから具体的な投資戦略を考えていくわけだが、結論からいうと現時点ではあまり良い案が浮かばなかった。

景気回復期待とドル

まず通貨からの逃避という中長期のトレンドに対する筆者の現時点の戦略はゴールドを買うことである。これについては少し前に記事にしたが、今も考えは変わらない。

2021年、金の投資戦略を考える

これに加えて、米国の景気回復期待というもう少し短期のトレンドに対しての投資戦略は何になるだろうか。前回の記事で触れたとおり、バイデン政権の財政支出期待でドル安が止まったということは、景気回復のために紙幣を剃ることが市場でポジティブに評価されているということである。この評価自体が正しいかどうかは短期のトレードには関係がない。答えが出る前に終わるトレードだからである。

パンデミックによる景気後退をどの程度まで紙幣発行で埋め合わせるかということについては各国で差があり、米国は今のところ主要国で最も積極的である。そしてそれが正しい選択であったかどうかが明らかになるのは、早くても2021年後半だろう。そういう期限付きのトレードして考えたときに、ドルが買われる余地はあるのではないか。特に、ゴールドの買いを中長期のメイン戦略としている都合上、ドル高というシナリオを捨てないでおきたい。

ユーロドルの行方

短期的にドルを買う方針について、現段階で考えているのはユーロドルの売りである。これは何か論理的な根拠に基づいているというよりは、正直なところ感覚的なものである。米国とユーロ圏を比べたときにドルに強気になる理由があるわけではない。しかし同様に、ユーロが上昇するような理由も見当たらない。

ユーロドルのチャートは以下のようになっている。

昨年のユーロドルの上昇は主にドル安の動きだった。米国で相対的にコロナ被害が大きかったため、必要とされる資金供給も大規模になると考えられ、実際に金融・財政両面から巨額の資金供給が行われた。そしてユーロドルは上昇した。

今、米国の追加刺激策はドル高要因になっているように見える。紙幣発行による現金給付によって景気が回復するならば、何もせずに景気低迷を受け入れるよりもマシである。このように市場の認識が変わったのだろうか? 引き続き、ユーロドルの動向に注目したい。